「2015年本屋大賞」に輝いた上橋菜穂子さんの「鹿の王」が今、話題になっています。上巻と下巻の2部構成から物語は成り立っていて、
架空の世界を舞台にして、2人の主人公がストーリーの中心になっていく作品です。
上橋さん自身はファンタジー作家と言う肩書を持っておられますが、これはファンタジー小説と言うにはあまりにも物足らないのかという内容です。
つまりそれだけストーリーが大きくなっていき、まさに壮大な世界の中で繰り広げられるダイナミズム。
音楽で言えば、何楽章からも成り立つ交響曲ではないのでしょうか。
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上橋菜穂子さんのプロフィール
生年月日 | 1962年7月15日(52歳) |
---|---|
出生地 | 東京都 |
職業 | 小説家、文化人類学者 |
ジャンル | 児童文学 |
「鹿の王」は上下巻からなるファンタジー小説
出典:http://warashibe.info/blog/archive/2014/10/king-of-deer.html
上橋ワールドの壮大なストーリー
ファンタジー小説と言うと、
もう少し、SFチックと言うか、
ロマンチックなあらすじを想像しがちですよね。
しかし、この「鹿の王」は、
そういったファンタジー小説とは、
多少どころか、かなり異なるのが特徴です。
読者の皆さんも、
上橋さんの小説は、
他の方の小説と違って、
ダイナミックで、
女性と言うよりは、
男性的なイメージがしないでもありません。
しかし、当の本人は別のインタビューで、
確か、
「いつも心がけているのは、面白い物語を書くこと」と、
仰っていました。
こちらがダイナミズムとみても、
上橋さんにしてみれば、
ファンタジーなのかもしれない。
読者と作者のこういったギャップがある、
作品は逆に珍しいのではないのでしょうか。
2人の主人公が物語の中心になる
出典:http://ja.twtrland.com/profile/kikuya_kurasiki
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ある日、2人の主人公は奇妙な出来事に巻き込まれる
故郷を守るため戦っていたヴァンは、
日々の戦いの中で自暴自棄になっていて、
半ば生きる意味も見失いかけていました。
不運にも囚われの身となり、
奴隷になるのですが、
ある日、紛れ込んできた犬が発症した
奇病のせいで奴隷は亡くなってしまいます。
一方、もう1人のホッサルは、
医者であるが、
その奇病に直面し、
効果的な治療法を探していました。
やがてその謎の病気を巡って、
国と国、人と人、または、
動物と人の衝突が繰り広げられ、
ストーリーはどんどん大きくなって、
入り組んでいきます。
が、そんな波乱続きの中で、
ヴァンは生き残り、
同じく生き残った幼女を連れて脱出をします。
やがてヴァンは厳しい自然の中で、
幼女、ユナと生活を共にすることで、
生きる喜び、人間らしさを、
取り戻します。
物語はおもわぬ方向に?!
出典:https://twitter.com/uehasibot
まさかの結末?!大どんでん返し
そんな感じで始まった物語ですが、
途中で思わぬ方向、そして結末に向かいます。
医者のホッサムは、
既に説明した様に、
ある日、発生した奇病が一体何なのかを、
研究していましたが、
ある日、衝撃的な事実を知ることとなるのです。
それは、
「奇病の発生源は犬によって媒介されたもの」
であるのは承知だが、
実はその発生した背景を調べてみると、
誰かが人為的に犬に奇病の病原菌を感染させ、
それを人間に噛ませることによって、
大量感染を引き起こすようしていたという、
人間が動物を無差別破壊兵器に見立てて、
使用したということだったのです。
感染した疫病を治すには、
疫病が発生した後、生存した人間の
体液が必要であるということを、
思いつきます。
とすると、
その当事者、もしかすると犯人は、
逃げ出した男、ヴァンではあるまいか。
という結論になります。
厳しい大自然の中で、繰り広げられる医療サスペンス
出典:http://okuuu.blog112.fc2.com/blog-entry-612.html
また見方を変えるなら、
「鹿の王」は、
色々な見方が出来るのではと思われます。
まずは「医療サスペンス」と言う味方、
犬によって媒介させられた奇病にあたって、
その治療法をホッサムは研究追跡ををしていきます。
そしてやがては西洋医学と東洋医学の衝突と言う、
あらすじにまで発展していきます。
西洋医学と東洋医学は、
ご存じの通り、
同じ医学でも、
全く異なるアプローチをするものですよね。
よって、
両方の考え方が衝突すのは必然と言えますよね。
そして僕は個人的に思うのが、
犬を「大量殺人兵器」に見立てた、
バイオテロリズムっていう観点です。
犬に病原体を媒介させ、
それを実世界で使用するのは、
テロリズムそのものではないのでしょうか。
物語がとても大きいと最初に申しましたが、
やはり全体を見るととてもファンタジー小説では、
終わりそうもありません。
ここまで男性的でダイナミックな小説を、
書かれる、上橋菜穂子さんにしか想像できない世界に、
どっぷりつかってみては如何でしょうか。
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読者の感想
鹿の王 下 早く読みたい(^^*)
本屋大賞とる人って天才だと思う
— ゆう子 (@myseason07351) 2015, 4月 29
鹿の王面白くて、活字嫌いなのに結構サクサク読み進んでる♪これ、コミックになったら絶対面白いと思う♬
— 編み物男子・ケンヌッツォ (@kennuzzo_ammn) 2015, 4月 28
上橋菜穂子著「鹿の王」読了。生きることは様々なものを変換していくという道程で、死は生を変換したにすぎないのだと思う。雨が雪になるように、その在り様が変わるだけだと思うと少し世界に寂しさを感じるけれど、だからこそ人としての巡りを感じる。色んな種の巡りの中の、人としての巡りを考える。
— rozan_masuda (@5656P) 2015, 4月 28
『鹿の王』読み終わった!! 上橋さんのお話って暖かいなぁといつも思う。
— りょざん (@ry0k021) 2015, 4月 27
『鹿の王』。ふ、複雑。上巻を念入りに読んでおいた方が下巻をより楽しめたと思うけど、返却期限に迫られていたのでかなわず。侵略と支配、命と病原菌、医術、家族、生命体って何?みたいなこと。1回読むだけじゃもったいない。
— はなまり (@gu_hanamarie) 2015, 4月 24
鹿の王はミステリー色も強いと思う。上巻読み終わった。これからどうなる?主人公同士は出会うのかしら
— 水無月マチコ (@minazuki801) 2015, 4月 23
ぜひ購入して読みたい1冊
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